

こんな要望に答えます。
石鹸シャンプーは、
- 「髪がきしむ」
- 「使いにくそう」
- 「泡立ちが悪そう」
- 「石鹸の匂いが気になるのでは?」
といったマイナスイメージのある方もいらっしゃるかもしれません。(確かに正しい方法で使う必要があったり、泡が出にくい面はあります。)
その一方で、石鹸シャンプーには石油系合成界面活性剤やシリコンが配合されていないので、肌に優しく安全といえます。しっかり洗いたい方にもおすすめなんですよ。
シャンプーは自分の髪と頭皮に合ったものを使いたいですよね。このページでは石鹸シャンプーのメリットとデメリット、石鹸シャンプーに関する基礎知識について紹介していきます。

目次
石鹸シャンプーは合う・合わないがある!
石鹸シャンプーってそもそもどんなシャンプーなんでしょうか?
石鹸シャンプーとは、
「石けん素地またはカリ石けん素地を主成分としたシャンプー」
です。石けん素地の原材料は天然植物油または動物性油脂。つまり、合成界面活性剤や化学成分は配合されていません。
その分、頭皮や髪にかかる負担が少なくなるということなので、化学合成物質に対するアレルギーを持っている方にもおすすめできるということです。

このように肌にやさしいメリットはあるものの、実は石鹸シャンプーは誰にでもおすすめできるものではないんです。詳しくみていきましょう。
石鹸シャンプーの前に…「市販の合成シャンプー」ってどうなの?
市販の合成シャンプーは良くない!と決めつけるわけではありません。というのも、大量生産で作られている合成シャンプーだって、ものによっては「天然植物由来界面活性剤+合成物質」という感じで構成されているものが多くあるからです。髪や頭皮への刺激が弱いタイプもある、ということなんですね。
また、シリコンがなんとなく悪者扱いされている気もしますが、シリコンには髪のコーティング効果が期待できます。必ずしも頭皮や髪に良くない成分とは言えないんですよ。
じゃあ何が問題?というと、いわゆる「ラウリル硫酸系」「ラウレス硫酸系」といった石油系の成分は洗浄力が強すぎて刺激になるということ。配合量が多いシャンプーだと、人のよってはお肌が過剰な反応を示すかもしれないんです。具体的にはアレルギーや頭皮環境悪化など…
ここまで読んでみて、
「市販のシャンプーだけど問題なく使えてるよ?」
と思うかもしれませんね。
でも、これまでにアレルギー反応が現れなかった方でも、成分が体内に蓄積されてある日突然アレルギー反応が起こる場合もあります。

石鹸シャンプーとは?
石鹸シャンプーとはその名の通り、主成分が石けんでできているシャンプーのことです。
原料を確認してみると、石鹸素地またはカリ石鹸素地という表示があるのがわかります。この二つの違いは、
- 石鹸素地…固形
- カリ石鹸素地…液体
という違いがあります。
作り方もちょっと違うんですよ。
石鹸シャンプーってどうやって作るの?
それではここで、石鹸シャンプーの作り方について簡単にご紹介しておくことにしましょう。
石鹸シャンプーの作り方
固形石鹸シャンプーは以下の2種類の作り方があります。
けん化法…油脂とアルカリ成分を混ぜて加熱すると「けん化」という反応が起こります。不純物を除いて石けん成分だけを取り出し、型に流し込んで固める製法です。
中和法…油脂をまず脂肪酸とグリセリンに分けて、脂肪酸だけをアルカリ成分と反応させてから型に流し込んで固める製法です。純度の高い石けんが作れる特徴があります。
このように、脂肪酸とアルカリ成分を原材料としているものを石鹸素地といいます。
アルカリ成分って?
石けんを作るときに使うアルカリ成分は水酸化ナトリウムと水酸化カリウム。ここで固形と液体が分かれます。
- 水酸化ナトリウムを使ったら…石けん素地。固形石けんができ上がります
- 水酸化カリウムを使ったら…カリ石けん素地。液体石けんができ上がります
ちなみに液体石けんは中和法で製造されます。固形石けんはどちらでも可。
固形と液体どちらを使うかは好みです。

石鹸シャンプーのメリット・デメリット
次に、石鹸シャンプーのメリットやデメリットについて見ていきましょう。
メリット
石鹸シャンプーの洗浄成分は石鹸素地またはカリ石鹸素地。基本的には水と石けん素地だけで、それ以外の添加物などは配合されていません。アレルギー体質の方でも、比較的安心して使用できるメリットがあります。
また、「肌にやさしい」といっていますが石鹸シャンプーは洗浄力が高いです。頭皮の毛穴汚れや髪の汚れをきちんと落とすことができるため、頭皮や髪の臭いを改善できるメリットもあります。
シリコンコーティングもしないので、シリコンに悪いイメージを持っている方にとっては使いたいシャンプーかもしれませんね。使い始めは髪のきしみが気になったとしても、使い続けているうちに髪本来の美しさを取り戻す効果が期待できます。
そして大きなメリットというと「価格が安いこと」。シャンプーは毎日使うものですし、長期間使い続けるならお手頃価格であることは大事ですよね。石鹸シャンプーは例えばアミノ酸シャンプーよりもだいぶ安いので手に入れやすく、続けやすいんです。
デメリット
石鹸シャンプーの最も大きなデメリット…それは、使い始めはかなり使い心地が悪いということです。とりあえず今まで使っていたシャンプーと比較すると泡立ちが悪いと感じるでしょう。
洗い上がりはギシギシとした髪のきしみにびっくりする方が多いかもしれません。これは石鹸シャンプーのアルカリ性によってキューティクルが開くことで起こる現象。髪の痛みが激しい方ほど強いきしみを感じます。
特にパーマやカラーリングで髪が激しく傷んでいるような場合では、キューティクルがもともと剥がれかかっている可能性もあります。今までシリコンでコーティングされて何も感じなかったのが、石鹸シャンプーを使うことでいきなりきしみ始めるわけですね。
また、使い慣れないうちは石鹸カスが気になったり、頭皮がべたついたりすることも。専用のリンスを使わないといけないのもデメリットといえるでしょう。
石鹸シャンプーはどんな人におすすめか?
ここまで読んでみて、石鹸シャンプーが向いている人や、反対に向いていないのはどのような人なのかをまとめます。
石鹸シャンプーが向いている人
石鹸シャンプーが向いている方は以下のとおりです。
- アレルギー肌や敏感肌の方
- 脂性肌(オイリー肌)の方
- 自然派志向の方
- 髪にボリュームを出したい方
- シャンプーのぬるぬる感が嫌いな方
アレルギー肌や敏感肌の方
化学合成物質が原因でアレルギーを引き起こしている方には石鹸シャンプーがおすすめです。
アレルギーや頭皮トラブルは前ぶれなく起こるもの。いつものシャンプーで急にかゆみや炎症が起こったら、ひとまず石鹸シャンプーに切り替えてみると良いでしょう。
脂性肌(オイリー肌)の方
石けん素地やカリ石けん素地は強い洗浄力を持っていて、特に皮脂汚れ除去には高い効果を発揮します。
頭皮の皮脂汚れは頭皮湿疹や脂漏性(しろうせい)皮膚炎の原因になることも。皮脂汚れを綺麗に取り除きたい方にはおすすめできます。
自然派志向の方
「なるべく天然由来成分でシャンプーしたい」「エコが好き」という方に合っているでしょう。
石鹸シャンプーは排水しても環境汚染にならないといわれています。自然派志向が強い方におすすめです。
髪にボリュームを出したい方
シリコンが入っていない分、髪の毛が軽くなってふんわりと立ち上がるようになります。
髪が細い方や少なめの方がボリュームを出すにはピッタリでしょう。
シャンプーのぬるぬる感が嫌いな方
量産シャンプーは脱脂力が高い分、グリセリンやヒアルロン酸といった保湿成分を同時にたくさん配合していることも多いです。保湿成分自体は悪いものではありませんが、いくらすすいでも髪がぬるぬるすることがあります。
逆に石鹸シャンプーは保湿成分も特に含まれていないものが多いので、ギシっと洗い上げます。洗った後にスッキリさっぱりしたい方には石鹸シャンプーがおすすめできるでしょう。
石鹸シャンプーが不向きな人
以下の方は石鹸シャンプーが向いていない可能性があるので注意が必要です。
- 乾燥肌の方
- ロングヘアまたは毛量が多い方
- カラーリングをしている方
- 髪がきしむのは許せない!という方
- 短時間でシャンプーをすませたい方
- シャンプーには良い香りが必須!という方
乾燥肌の方
石鹸シャンプーは脱脂力が強いので、乾燥肌が進んでいる方にはおすすめできません。フケやかゆみの原因になる可能性があります。
ロングヘアまたは毛量が多い方
石鹸シャンプーにはコーティング成分が配合されていないので、特にロングヘアや毛量が多い方が使用すると髪かまとまりにくくなることがあります。
単純に、石鹸シャンプーは髪がきしむので洗うのがものすごく大変です。専用リンスにも手間がかかります。
カラーリングをしている方
「石鹸シャンプーはキューティクルを一時的に開いてしまう」でしたね。
せっかくカラーリングで毛の中まで染めた色が落ちやすくなることがあります。カラーを長く持たせたいという方は控えた方がいいかもしれません。
髪がきしむのは許せない!という方
石鹸シャンプーの使い始めは、多かれ少なかれ髪のきしみを感じます。「髪がきしむのは許せない!」という方には向かないでしょう。
短時間でシャンプーを済ませたい人
石鹸シャンプーは専用のリンスを使ったり、石鹸カス防止のため洗い流し(すすぎ)に時間がかかります。短時間でサッとシャンプーを済ませたい方には向きません。
シャンプーには良い香りが必須!という方
石鹸シャンプーは基本的に香料が入っていないことが多いです。(入っていたとしてもかなり控えめ)
女性らしい良い香りに包まれたい…という方は石鹸シャンプーではない方が良さそうです。
私には石鹸シャンプー合わないかも?→アミノ酸シャンプーがおすすめです
どうしても石鹸シャンプーが合わないという人には、アミノ酸系シャンプーを使ってみるといいでしょう。
アミノ酸系シャンプーは洗浄力が穏やかなのでさらに髪にやさしいシャンプーです。髪のキューティクルを開かないのできしみもなく、使い心地もまったく違和感がありません。
ちょっと意外かもしれませんが、「洗浄力の弱さ」というのもシャンプーには大切なんです。「皮脂は悪者」と思われがちですが、実はある程度の皮脂は頭皮に必要なものなんですよ。
乾燥を防ぎ、お肌のバリア機能を保ってくれる役割があります。自分の体で作られた天然の保湿成分のようなものなので、取りすぎもよくないんです。
アミノ酸シャンプーなら、必要なものまでごっそりと根こそぎ洗い流すことにはなりません。フケや乾燥、髪のパサつきが気になっている方はヘアケアに効果的なアミノ酸シャンプーに注目してみては?

石鹸シャンプーは長く使うことで効果を実感できる
石鹸シャンプーが向いている人であっても、使い始めは髪のコンディションがなかなか整わず、イラッとすることがあるかもしれません。
しかし、もしあなたの髪がすでにダメージを受けている状態なら、これが改善するまでにはかなりの時間がかかります。焦らないで、まずは我慢して長く使っていく気持ちが大切といえますね。
はじめは髪のきしみが気になっていたのに、いつの間にかサラサラの感触になって「使い続けていたら髪にハリが戻ってとても健康になった」と感じている人は大勢います。
また、上記でも触れていますが、石鹸シャンプーにはph調整剤として専用のリンスが必要です。これを使えばかなり使用感が改善するので、石鹸シャンプーを使う際にはこちらもお忘れなく。
なぜ専用のリンスなのかというと、石鹸のアルカリ成分を中和するための「酸性リンス」というのが特徴です。
それでも洗い上がりの髪がきしむのなら、アルガンオイルやホホバオイルなどを洗い流さないトリートメントとして活用してみましょう。
これらは天然オイルですので、石鹸シャンプーの効果を邪魔する心配はありませんよ。

まとめ
石鹸シャンプーには、メリットだけではなくデメリットもあります。特に今まで石鹸シャンプーを使用したことがないなら、デメリットの部分ばかりが気になってしまうかもしれませんね。
でも、「実際に使用してみたら髪が健康になった」「髪にコシが出てきた」という声も多いのが石鹸シャンプーです。合う・合わないについて書いてきましたが、実際に使ってみないとあなたに向いているのか本当のところはわかりません。気になっているなら、ぜひ試しに使ってみてくださいね。

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